
キルトの著作権について著作権等の法律に詳しい田中先生にお伺いしました。
■ハワイアンキルトの著作権に関するQ&A
Q1.そもそも著作権とは?
A1.
著作権はかなり複雑な権利です。ポイントを箇条書きにすると以下のようになります。もう少し詳しく知りたい方は、文化庁の著作権ホームページにあるテキストなどをご覧ください。
- 著作権とは、著作物を創作した人(著作者)に発生する権利です。著作権は譲渡可能(例外あり)ですので、譲渡した場合は、著作権者と著作者が異なることになります。
- 著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」とされています。具体的には,小説,音楽,美術,映画,コンピュータプログラム等が,著作権法上,著作物の例示として挙げられています。
- アイデアやノウハウそのものは、著作物ではありません。(著作権法による保護の対象は「表現」です。)
- 著作物かどうかを客観的に認定してもらえるような機関は存在しません。著作物かどうかで争いがあった場合は、裁判でもしてみないと結論は分からないということになります。
- 著作権は、著作権(財産権)と著作者人格権に分けられます。著作者人格権は譲渡できません。
- 著作権(財産権)は、さらに複製権、上演権、上映権、公衆送信権、展示権、譲渡権など様々な権利に分かれます。例えば、複製権とは他者に無断で複製されない権利です。
- 著作者人格権は、公表権、氏名表示権、同一性保持権の3つの権利に分かれます。例えば、同一性保持権とは、他者に無断で改変されない権利です。
- 著作権は、創作と同時に発生する権利であり、何らの手続きも不要です。
- 著作権は保護される期間が定められています。原則として、著作者の死後50年まで保されますが、様々な例外規定があります。
Q2.ハワイアンキルトには著作権があるか
A2.
一般的には、ハワイアンキルトのデザインは著作物であり、創作した人には著作権があると考えられます。
ハワイアンキルトの著作物性を検討するにあたり、以下の点が論点となると思われます。
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■ハワイで創作された著作物に関する権利は、日本ではどのようになるのか?
日本とアメリカとの間では、著作権に関する条約が締結されております。アメリカの著作物は、日本では日本の著作権法によって保護されます。
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■大量生産品は著作権がないのでは?
大量生産品だからといって直ちに著作権が否定されるわけではありません。
実用という側面を切り離して鑑賞目的としての芸術性が備わっていると認められているかどうかがポイントの一つになると考えられます。
ハワイアンキルトの場合、芸術品として発展してきたという歴史があり、特に昔の作品の多くには著作権が認められるのではないかと考えられます。(ただし、保護期間が過ぎていないことが前提となります。)
実際には、個別の作品ごとに著作物性が検討されることとなります。
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■他人の作品をアレンジして新しい作品を創作した場合の著作権は?
他人の作品をアレンジした場合、大まかに次の3つのケースに分かれます。
元の作品とは別に、まったく新しく創作したものと認められる場合・・・新しい作品を創作した人に著作権が帰属します。
元の作品に依拠しつつも、新たに創作性が付与された作品と認められる場合・・・いわゆる二次的著作物として取り扱われます。二次的著作物の創作には、元の作品の著作権者の許諾が必要です。また、二次的著作物の利用には、元の作品の著作権者と二次的著作物の著作権者の両方の許諾が必要です。
元の作品に類似しており、新たな創作性が付与されたとは認められない場合・・・新たな作品は、二次的著作物とは認められません。その作品の創作や利用には元の作品の著作権者の許諾が必要です。
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■教室等でハワイアンキルトのデザインを習った場合の著作権の取扱いについて
教室等で習ったデザインについても、基本的にはその作品のデザインの創作者に著作権があると考えられます。もっとも、著作権の一部または全部を譲渡する旨の契約等がある場合は、その契約内容も考慮されます。
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■お店や教室等でハワイアンキルトの作品を購入した場合の取扱いについて
購入した作品のデザインについても、基本的にはその作品のデザインの創作者に著作権があると考えられます。
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■いわゆるコピーライト表示(○C)をつければ、他人の作品を利用してもよいか?
コピーライト表示をつけたとしても、著作権者に無断では利用できません。あくまでも、著作権者の許諾が必要です。
Q3.他人の著作権を侵害した場合?
A3.
ここでは概要のみ記載いたします。
これも詳しくは文化庁の著作権ホームページにあるテキストなどをご覧ください。
民事上は、差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、名誉回復等の措置請求を受ける可能性があります。
故意に著作権侵害をした場合、更に刑事上の措置として、10年以下の懲役や1,000万円以下の罰金(法人の場合は3億円以下の罰金)などが科される可能性があります。
Q4.教室等でハワイアンキルトのデザインを習った場合、他に注意すべき点はあるか?
A4.
著作権の取扱いについては前述のとおりです。その他、合意した規約等に従う必要があります。例えば、創作にかかるアイデア自体は著作物ではありませんので、それを第三者に漏らしたとしても著作権法上は問題にはなりません。しかし、規約等でアイデア漏洩に関する禁止規定があれば、それに従う必要があります。